Intercultural Collaborative Learning 多様な学び合いを
ファシリテートする

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国際共修のファシリテーション

国際共修は、多様な価値観をもつ学習者の学び合いを取り入れた教育手法です。単に、言語や文化背景の異なる学習者が一緒に授業を受けたり、交流をしたりする環境を作るだけでは「国際共修」と呼べません。学習者間の意味ある交流(Meaningful Interaction)が取り入れられていること、つまり、学習者が互いを教育リソースと位置づけ、「学び合い」を自己の価値観の再構築につなげる機会を得られているかどうかが、重要なポイントとなってきます。この学び合いは、自然に発生するものではありません。教育実践者が、学習目標に沿った活動や課題をデザインし、適切な助言や情報提供による意図的な教育介入を行うことではじめて生み出されるのです。

国際共修ルーブリック

このルーブリックは、留学生と国内学生が意味ある交流を通して学び合う「国際共修」を手法とした教育実践を、より効果的に行うために開発されました。国際共修には、言語・文化背景の異なる学習者が学び合いや協働を通して異文化や自文化への理解を深め、その学びをメタ認知することで新しい価値観にたどり着く学習効果が期待されます。しかし、異文化間教育として有効な手法でありながら、その効果をどのように測定し、学びのプロセスを可視化するかという課題が近年浮上していました。

このため、規模、教育理念、特色などが異なる大学の国際共修研究者・実践者が、研究プロジェクト*を立ち上げ、2年間かけてこのルーブリックを開発しました。この過程で、幅広い文献レビュー、国内外での事例研究、ルーブリックの精度を高めるための調査と検証を繰り返し、なるべく多くの学習者と、多様な学習形態を考慮した、汎用性の高い指標づくりに努めました。

国際共修 x 学習成果
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    ケーススタディ動画

    国際共修を取り入れた授業を設計したり、実施したりする時に、工夫すべき点はたくさんあります。たとえば、授業の目的や学習内容、評価方法を学生にいつ、どのように伝えるか、学生同士の学び合いを促す雰囲気をどう作るか、学生からの提出物にどのようにフィードバックをしたらよいか、などは、重要だとわかっていても、なかなか「正解」に行き当たらない、国際共修実践者共通の悩みポイントといえます。

    しかし、これらへの対策を適切に行うことで、学習者の学びに大きな違いをもたらすことができます。この動画教材は、国際共修授業の履修経験をもつ東北大学生が、学生の視点でインプットしてくれた指摘や提案をもとに製作しました。「このような国際共修授業で学びたい」、「学習場面でこのような工夫がほしい」という要望をトピック別にまとめ、グッド・プラクティスにつながるような助言やアイデアを含めた構成になっています。
    より豊かな「内なる国際化」環境を築くための参考として、この動画教材をご活用ください。