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Welcome to the Intercultural Collaborative Learning Community 国際共修コミュニティへようこそ!

必見情報が盛りだくさん

国際共修初心者から上級者まで必読!
履修の準備や協働の心構え・工夫をたっぷりご紹介します!

自分の目標を決めてみよう

たくさん授業がありすぎて分からない!そんなときは、まず国際共修を通してどんなことを学び、経験したいかを考えてみましょう。海外学生と交流してみたい?英語でコミュニケーション力を磨きたい?留学したい?留学に替わる経験がしたい?留学で身につけたスキルを維持したい?…など、ひとくちに「国際共修」と言えど、目的は十人十色です。やみくもに探すのではなく、まずは自分の国際共修での学びの目標を思い描くことが大切です。

目標を基にプランを立て、最適な授業を見極めよう

目標をイメージできると、履修したい授業も絞りやすく、より自分に合う学びを得ることができます。例えば、「使用言語」「授業のテーマ」「授業のなかでの海外学生との交流頻度」などの判断軸から、自分の目標への効果的な道のりを考えてみましょう。国際共修ならではの多様なコンテンツが皆さんを待っています!

自分のことを話す準備をしておこう

初対面のクラスメイトへ話しかけるときや、グループ内でのチームビルディングでは、自分を開示し、相手をよく知ろうとすることが大切です。その気持ちや心構えが、その後の信頼関係構築にもつながります。
一方で、自分のことや自国の文化について、意外と英語での説明が難しかったり、実は良く知らなかったりすることも…!以下のネタ集を参考に、授業が始まる前に相手のことを聞く準備・自分のことを話す準備をして、実際の授業で余裕を持って会話に参加しましょう。

雑談のためのネタ集

授業開講時期に使える話題

  • この授業を取ろうと思った理由は?
  • 何を専攻しているの?
  • どこの国・地域出身?
  • 出身国・地域を代表する食べ物は?
  • 大学生は週末何をして過ごすの?
  • 私の国にはこんな面白い文化があるよ。

毎回のワークで使える話題

  • 今の状況・気分はどんな感じ?(コロナ禍オンラインであれば特に!)
  • 週末は何をしたの?
  • 最近覚えた日本語・英語はある?

外国語学習者に配慮した言語表現を心がけよう

自分の話し方、スピード、明瞭さ、使っている語彙のレベルは、その言語が母語でない相手を配慮したものになっていますか?相手からの質問がないから大丈夫、と考えず、時々話し合いを止めて理解を確認するなど、ネイティブである自分たちから歩み寄ることが大切です。

今注目を集める「やさしい日本語」って何?

日本語を母語としない人が理解しやすいように、優しい気持ちで易しく表現された日本語を「やさしい日本語」と呼びます。元々は1995年に起きた阪神・淡路大震災を受け、日本に住む外国人が災害時に適切で迅速な情報伝達を受けられるよう始められた取り組みです。現在では外国人観光客とのコミュニケーション、外国人住民との共生を促進する有用な手段として研究と実践が蓄積されています。日本語には敬語や曖昧表現、擬音・擬態語や外来語など非ネイティブにとって難しいと感じる要素が盛りだくさんです。情報を整理して、簡単に、明示的に伝えられると「やさしい」表現になります。日本語開講の授業では補助的な英語の使用が認められている場合もありますが、意欲をもって日本語での学習に挑戦している海外学生のためにも、まずはやさしい日本語を用いた意思疎通を意識してみるのが良いでしょう。

やさしい日本語のつくり方

  1. 情報の取捨選択・組み立て
    • 相手にとって必要な情報を絞り、優先順位の高いものから話す
  2. 文章の簡素化
    • 主語と述語を明確にする
    • 一文を短く、情報を詰め込まない
  3. 語彙レベルの検討
    • 相手の日本語習熟度に合わせ、伝わる語彙を選ぶ
    • 外来語、専門用語、敬語、略語、オノマトペには特に注意
    • 抽象的な言葉は言い換えるか、具体例を示す
  4. ( 書き言葉の際 )漢字にはひらがなをふる

参考資料

「やさしい日本語」の手引き(愛知県)

在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン(出入国在留管理庁・文化庁)

対等な関係と互いに安心できる環境をつくろう

チームビルディングで意識すべきことのひとつが、誰もが安心して発言できる環境づくりです。言語や文化背景の異なる仲間との協働では、多様性を歓迎し、個々の強みや特性を活かしながら対等に関わり合うための方法を考えることが大切になります。特に海外学生や国際共修初心者が置き去りにされていないか、そうした仲間をどのように巻き込んでいけるか、絶えずグループのインタラクションのあり方を模索していきましょう。ワンポイントアドバイスにて、関係性構築の基盤となりうるグラウンドルールの共有について特集しています。ぜひチェックしてみてください。

協働学習の基盤!
「グラウンドルール」をつくってみよう

グラウンドルールとは、文字通り関係者間で合意された規則を指します。何のための合意かと言うと、他者との協働において「安全な場」をつくるためです。メンバーがそれぞれの個性を創造的に発揮するには、メンバーひとりひとりが互いに尊重され、「誰の意見も等しく受け入れられる場である」ことを全員が理解してい​​るという安心や信頼が欠かせません。こんな発言をしたら批判されるかな…という不安をメンバーの誰かが抱える環境では、効果的なコラボレーションが進まないでしょう。そこで、互いがこの協働において大切にしたいことや目標を共有し、その達成に必要である決まりごとを設定してみましょう。これにより、意味ある交流の土台を形成することができます。授業によっては、教員から学生全体にグラウンドルールが示されることもあります。その場合も、所属するグループで今一度それを確認したり、必要に応じて約束事項を増やしたりするひと手間が、関係構築とパフォーマンスの質に大きな違いをもたらします。国際共修ナビを参考にしながら、自分自身が関わるグループでの具体的な約束事にはどのようなものが必要か、ぜひ考えてみてくださいね。

「真」の協働で異と融合しよう

協働とは、異なる背景や強みをもつ人々が、共通の目標に対して責任と役割をもって関わり合い、全体への貢献を果たすことです。こう考えると、例えば、プレゼンテーションに向けたグループワークにおいて、メンバーが各自調べたことを順番につなぎ合わせるだけでは協働と言えません。異なるものをつなぎ合わせるのではなく、融合することで多様性の真価が発揮されます。

失敗は当たり前!試行錯誤で成長しよう

言語・文化背景の異なる他者と深く関わる国際共修はサプライズの連続です!コンフォートゾーンを出ることで、時には居心地の悪さを感じたり、逃げ出したくなったりすることがあるかもしれません。しかし、それを恐れて表面的な交流に終始していては、国際共修から学びを得ることはできません。言いたいことが伝わらない、「当たり前」が通用しない、そんな状況に直面したとしても、まずはその状況をしっかりと見つめ、自分の内部に湧き上がる葛藤に向き合い、コミュニケーション・スタイルや表現方法において粘り強く試行錯誤する経験を積んでいきましょう。順風満帆であることが常に望ましい状態であるわけではありません。むしろ、失敗や戸惑いから学んでいくことこそが、国際共修における成長の鍵です。

クイックレスポンスでチームを盛り上げよう

グループワークの際、メンバーの発言にはすかさずリアクションをとるよう意識しましょう。自分の意見やアイデアにフィードバックをもらえず沈黙が流れてしまうと、誰でも不安になり、モチベーションの低下を招いてしまいます。賛成や反対、質問や確認など、キャッチボールを止めない意識をもつことで、円滑なコミュニケーションにつながります。特に外国語での議論に参加する際は、積極的な発言を助けるようなお役立ち表現をストックしておくと安心です。授業時間外にテキストでのやり取りがある場合も、無理のない範囲で早めの返信ができると、交流の活性化につながります。

ためらいを捨てよう(語学編)

意見を述べる際、考えすぎて上手く言葉にできない、特に外国語では文法や発音の不安も重なって黙り込んでしまうという経験のある人は多いでしょう。伝えたい気持ちがあるのに、長く続く沈黙がその熱意までも覆い隠してしまう可能性もあります。考えがまとまらなくても、ひとつずつ言葉にしていけば良いのです。完璧な文法・発音で立派に話そうとする必要は全くありません。的確な表現方法がわからなければ、そのことを周りに伝えましょう。きっと、仲間がさらなる質問などを通して、あなたの考えを理解しようと歩み寄ってくれます。

ためらいを捨てよう(情緒編)

常に多様な価値観が共有される国際共修では、語学面の不安だけでなく、自分の考えが間違っているかもしれないという心配、批判されたらどうしようという恐れ、正直に伝えるべきかという迷いが、発言にブレーキをかけてしまうことがあります。しかし、ぜひ勇気を出して自分なりの意見やアイデアを伝えてみてください。国際共修では、共有される十人十色の意見がそれぞれ等しく価値をもち、それが互いにとってeye-openingな刺激となります。価値観には正解も不正解もありません。個々の立場や持ち味を生かした発言により、クラス・グループ内の多様性は一層響き合うことでしょう。

顔が見えるコミュニケーションを大切にしよう

科目担当の先生から授業外でもグループ活動をするよう指示があった場合、テキストでのやり取りに終始せず、定期的にオンラインミーティングを開いてみることもチームビルディングには効果的です。1週間のうち30分でも同じ時間を共有できそうであれば、ぜひ顔を合わせることで信頼感を育んでいきましょう。

スモールステップで進もう

「授業が終わるころにはこんな自分になっていたい」と理想を胸にクラスの扉を叩く学生は多いでしょう。しかし、一旦授業が始まると、自分の未熟さや克服すべき課題の多さを実感し、目指す姿とのギャップに落ち込んでしまうこともあります。しかし、それは当たり前のことであり、むしろ「ではどうするか?」を考え、自分なりに戦略を立て実行する絶好のチャンス、成長の機会なのです。今月中には、授業が終わるまで、という中・長期の目標を掲げつつ、目の前の課題ひとつひとつに向き合い、スモールステップで進んでいきましょう。「次の授業では最低2回発言する」「次のグループワークでは自分から海外学生に質問してみる」など、現実的で具体的な目標を立てましょう。目標設定について客観的なアドバイスがほしい場合は、教員に相談してみるのも一案です。(TAやサポーターがいる場合にはそちらも活用してみましょう。)

1人の影響力を自覚し、責任ある行動を心がけよう

協働学習では、1人の態度や行動が良くも悪くも周りに多大な影響をもたらすことを理解しましょう。例えば、グループワークの際、1人が自分の考えを主張し続けて、周囲の意見を受け入れないような態度をとると、仲間は安心して発言することができず、前向きな交流へと発展させることが難しくなってしまいます。反対に、メンバーの中で1人でも「そのアイデア良いね!もっと聞かせて!」などと肯定的な姿勢を見せることができると、その積極性はグループ全体に伝染するものです。仲間と望ましい関係を築くため、すべきこと・すべきではないことについて共通認識をもつことが大切です。また、授業時間外活動が多いプロジェクトの場合は、メンバー間で関与度に濃淡が出ないよう十分な意思疎通を心がけましょう。特に国際共修では世界各国の大学生が集まるので、時差の問題はもちろん学事暦(特に試験期間)の違いがグループワークに影響を及ぼすこともあります。互いの事情を配慮した役割分担や計画のもと、1人1人がチームの一員であることに責任をもち、モチベーションを高め合うような貢献をしていけると良いですね。

議論やワークの内容は全員で共有しよう

話し合った内容や集めた情報は、オンラインツールを用いて、グループメンバー全員が閲覧・編集可能な場所に随時ストックしていきましょう。プレゼンテーションやレポートなどを作成する際に参照できるという利点はもちろん、協働の過程が蓄積・可視化されることでチームのモチベーションアップにもつながります。授業時間外にひらめいたアイデアを自由にメモできる場所もあると、意見交換の場が盛り上がり、作業の効率もアップします。

PCツールを制する者はオンラインワークを制する!
オンラインで使えるツールはこれ!

国際共修とは一見関係が薄そうに見えるパソコンツール。実はパンデミックが始まってからの数年間で、オンラインでの国際共修は非常にメジャーになってきています。オンラインでのコミュニケーションをよりスムーズに、そして実りのあるものにするために、今一度使えるツールを確認してみましょう。

グループワークに使えるオンラインツール

  1. オンラインミーティングツールZoom, Teams, Google Meetなど:オンライン会議のためのツール。ミーティングの設定方法、マイクとカメラのオンオフの仕方、画面共有の仕方、チャットの送り方を確認しておくと、より議論がスムーズになる。
  2. オンラインドキュメント作成ツールGoogle Docs, Google Slides, Padletなど:同時に共同編集ができるところが優れもの。協働のためのリンクの共有の仕方やプレゼンテーションの開始方法を確認しておこう。
  3. オンラインチャットアプリFacebook Messenger, WhatsApp, Slackなど:世界中で頻繫に使われているオンラインチャットアプリ。LINEは、実は日本以外ではユーザーが少ないため、事前にアプリをインストールしておくと海外学生との連絡先交換がスムーズに行える。

 

「楽しい」という気持ちがチームビルディングのコツ

チームの雰囲気作りに大切なのは、語学力だけではありません。笑顔や相槌といったボディランゲージは、「あなたの話に興味があるよ」という合図になり、よりオープンなコミュニケーションを生むことにつながります。特にオンラインでは、自分が思っているよりも、相手に感情が伝わりにくいものです。いつもより2割増しのリアクションをしてみる、意識して笑顔にしてみる、「私たち良いチームだね!」「今日はこんなに進んだね!」「ミーティングいつも楽しいよね」「ちゃんと聞いているよ」「○○してくれてありがとう」と一言加えてみましょう。ポイントは、いま一緒に何かを共に成し遂げようとしていることを「意識する」ことです。恥ずかしがらずに自分の気持ちを伝え合うことで、「チーム意識」が高まります。

目に見える形で思い出を残そう!

特にオンライン形式の授業では、対面形式の授業に比べてクラスメイトとのつながりが薄いな感じることもあるでしょう。実は、思い出を作る機会は、オンラインでも多く見つけることができます。グループミーティングでスクリーンショットをとって共有する、グループチャットの名前をメンバーと考える、Facebookで活動を情報発信し合うなど、少しの工夫がチーム意識の向上につながっていきます。

授業外のコミュニケーション アイデアと実践例

「オンラインだとなかなか友達ができない」「課題をするためのミーティングばかりで雑談をする機会がない」「授業終了後も続く友人関係を海外学生と築きたい」…これらは学生の多くが直面する悩みです。オンライン授業では、教室内で自然と展開されていた交歓も失われがちという声もあります。そこで、雑談プラスαのおすすめ交流を紹介します!雑談の中でこそ、授業とは一味違う国際交流ができるのもまた事実です。以下のような例を用いて交流を重ね、クラスメイトとの信頼関係構築にもつなげていきましょう。

オンライン国際交流アイデア

グループで映画鑑賞、母国語を教え合う、簡単な料理を一緒にする、ご飯を一緒に食べる、折り紙など道具が必要ないワークショップを開催する、ゲームを一緒にする、など

言語の壁

テストのリスニングならできるのに、授業で英語が聞き取れない!
...一体何が原因?

アクセントに負けるな!

世界の英語話者の中で、母語以外の言語として英語を話す人は全体の78%(出典:Global Business Speaks English (Harvard Business Review) )だと言われています。つまり、国際共修の中で、英語を使って話す相手は必ずしも英語ネイティブとは限りません。英語を母語としない人にとって、それぞれ多様なアクセントを持っていることは当たり前です。受験英語のリスニングは聞き取れるのに、普段の会話では英語を聞き取れない…という問題に直面したときは、実は相手のアクセントやカジュアルな表現に耳が慣れていないことに原因がある可能性もあります。そんなときは、YouTubeなどの動画配信サービスを使って「活きた英語」に触れることがおすすめです。今は世界中のクリエイターが英語でたくさんのコンテンツを配信しています。自分が慣れたいアクセントで話すクリエイターの動画を見てみることで、楽しみながら英語に触れることができますよ!
もちろん、授業内で「分からないな、聞き取れないな」と感じたらその場ですぐに聞くことも大事です。気軽に聞き返したり、意味を確認したりする英語表現を勉強しておくと役立つでしょう。…など、ひとくちに「国際共修」と言えど、目的は十人十色です。やみくもに探すのではなく、まずは自分の国際共修での学びの目標を思い描くことが大切です。

英語学習オススメコンテンツ

スマホやパソコンを使えば、アプリやポッドキャスト、映画配信サービスなど、学生が気軽に使うことができるコンテンツが溢れています。自分のお気に入りコンテンツや映画、またはスピーチを探し、自然に英語を聞く習慣をつけてみましょう!実際に口に出して練習してみることもおすすめです。

  • YouTube
  • NETFLIX
  • TED
  • ABC、BBCニュース

考えていることはたくさんあるのに発言できない!
英語に自信がない!どうすれば良いの?

「下手な英語を話したら恥ずかしい…」という不安は誰もが持っているもの。
始めから完璧を目指すのではなく、小さなステップを立てて成功を積み重ねよう。

「考えがまとまってから話す」必要はない!

自分の考えをまとめて英語で話すには、それなりの時間を要します。「しっかりまとめてから発言しないと」と思っている人も多いのではないでしょうか。確かに自分の意見を簡潔にまとめることも大事な議論のテクニックの一つですが、黙っている間に議論が進まなくなったりしては元も子もありません。特に多様なバックグラウンドを持った学生が集まる国際共修の場では、発言をしないと、「考えているのか、やる気がないのか分からない」という誤解を生んでしまうこともあります。100%の発言を目指すのではなく、まずは60%くらい考えが出てきたら発言をしてしまう、くらいの気軽さでどんどん声を出しましょう!

「今日の授業よりもひとつ成長する」目標を立ててみよう

国際共修の授業後、「全然話せなかった…」と落ち込む人はあなただけではありません。そんなときは、次の授業の目標を立ててみましょう!次の授業で1回は発言する、グループワークのときに発言した人に相槌を打ってみる、今度は自分から何か質問してみる、1回は手を上げてみる、自分が場を仕切るファシリテーターになってみる…など、次の授業での自分へのスモールゴールを決めましょう。授業の直後に行動するという点が鍵です。記憶が薄れないうちに目標を立て、次の授業前に確認する、という作業をルーティン化しましょう。もし、目標の立て方が分からない場合は、教員(TAやサポーターがいる場合はそちらも!)をいつでも頼ってくださいね。

英語での意見を伝えるのに時間がかかってしまってもどかしい…どうすれば良いの?

英語での理論の立て方を意識しよう。そして実践あるのみ!

英語での意見の伝え方の順序は、日本語とは大きく異なります。日本語は、一番伝えたいことを後に持っていく伝え方することが多いのですが、英語では、伝えたいことを一番はじめに持ってくる伝え方が好まれます。これがよく「結論ファースト」と呼ばれる話し方です。接続詞を使った長い文章を話す必要はありません。端的に、一番伝えたいことを話し、その後にそう考えた理由や背景にある事実を説明してみる練習をしてみましょう。もし人前で話すことに大きなハードルに感じる場合は、独り言練習も効果的です。通学中、お風呂に入っているとき、料理をしているときなど、目に入ったものに関して自分の意見を1分で話してみるトレーニングに挑戦してみてください。これを積み重ねることがグループワークでの発言の練習になります。最後に、何よりも大事なのは失敗を恐れずに実践してみることです。国際共修は、履修生が自分たちで多様性を生み出し、お互いの「違い」を学び受容していく場です。英語はそのツールであり、上手・下手でジャッジされるものではありません。このもどかしさこそ、学びへのステップそのものだとポジティブに捉え、どんどん挑戦していきましょう。

意識の壁(自分の課題意識)

今まで想像さえしなかった考え方をする仲間の存在に戸惑いが… 自分の価値観は間違っているのかもしれないと感じ、意見を抑えてしまうことも… どんな意識をもてば積極的に発言できる?

その戸惑いこそ国際共修の醍醐味!

多様な仲間と議論する中で、自分の考え方は間違っているのかと動揺したり、批判されるのではないかと不安に感じてしまうこともありますよね。しかし、その葛藤こそが新しい視点の獲得や自己のメタ認知につながることがあるので、そうしたeye-openingな考え方に出会えたあなたはラッキーです!逆も然りで、あなたの意見が他者にとっては価値観の変容を刺激するサプライジングなものになっていると思いますよ。価値観に正解や不正解はありません。ぜひためらわずに自分の意見を伝えてみてくださいね。

他のグループの進捗状況など周りが見えないため、自分たちが孤立化しているような気がしてしまう… 何かできることはある?

積極的に他のグループと情報交換するのもひとつの方法。
クラス全体がつながるオンラインチャットの活用事例もあり!

特にオンラインメインの授業だと、グループ内の協働に終始してしまいがちですよね。グループが孤立化しているような感覚に陥り、自分たちが正しい方向に進んでいるか不安になったり、他との比較ができないため自分たちの方向性を見失ったりすることもあります。そんな時は、オープンに情報交換や相談ができる空間をつくるのも一案です。クラスの横断的な協力関係を活性化できるツールとして、LINEオープンチャット、Slack相談チャンネルの活用事例もあります。授業の一環として指定されていない場合も、より良い協働を促進するため、教員(またはTAやサポーター)に相談してみると、解決への道につながるかもしれません。

グループディスカッションや雑談の中で、聞かれたくない話題や質問をされてしまう…相手を傷つけずに答えることを避けるにはどうしたら良いの?

聞かれたくない質問や話題には、無理に答えなくてOK。
自分のことを答えるのではなく、一般的なことを紹介することで話をさえぎらずに
コミュニケーションをつなげてみよう。

宗教、性的指向や民族的な背景などの自分のアイデンティティに関係することや、政治的思想を深く掘り下げられることに違和感や不快感を覚えることもあると思います。このような、答えることを拒否したいような質問をされた時に、ストレートに反応して険悪な雰囲気になるのを避け、コミュニケーションを続けるにはどうしたらよいか悩んだことはないでしょうか。そんなときは、まず正直に「その質問には答えられない(・答えたくない)」ということを伝えたうえで、話の軌道修正をしてみてはどうでしょう。「自分がどの立場かということはあまり言及したくないけれど、こんな構図で議論がされているよ」「こういう見方もあるよ」「新聞でこんなことを読んだよ」というように、プライベートな考えではなく、一般的な論を紹介することで、相手の気持ちを損なわずにコミュニケーションをつなげていくことができると良いですね。
また、自分が質問する側になった時に「この質問で相手を傷つけたりしないかな?」と不安になることもありますよね。「傷つけるかもしれないから聞かない」選択もありますが、「質問の仕方を変えてみる」選択もおすすめです。「これがタブーなのか分からないんだけど、これはこういうことなの?」「もし答えたくなかったらそのときは教えてほしいんだけど、これについてどう思う?」のように、相手の答える選択肢の幅を広げてみましょう。異なる環境で過ごしてきたならば、考え方や感じ方が違うのは当たり前です。お互いにとって心地良いコミュニケーションを心掛けていきましょう。

関与の壁(相手との関係)

グループワークに参加してくれないメンバーAさんへの対応に困っている…こんなときはどうやって関われば良い?

Aさんに変化を求めるだけでなく、環境や周りの対応に改善できるところがないか考えてみよう。

授業内の議論でほぼ無口になってしまう学生への関わり方、授業外活動にあまり協力的でなく、他のメンバーに比べて関与度が低くなってしまう学生への対応など、平等な参加・貢献に向けた仲間の巻き込み方は悩むところですよね。
国際共修における参加率の低下には、言語の難しさや異なる価値観に対面することへの意識など、その背景に様々な理由が考えられます。

まずはAさん本人に事情を聞いてみましょう。例えばAさんが海外学生で、日本語での活動に困難を感じているとしたら、まずは教員に相談して英語を補助的に使用したり、議事録を日英両表記にしたり、メンバーがやさしい日本語で話せているか再確認したりと周囲が工夫できることはたくさんあります。
Aさんに日本語の上達を求めるという一方的な対応はインクルーシブではありません。また、授業に参加する学生の学習経験やスキルは実に多様です。外国人との交流が初めての学生、留学経験のある学生、帰国子女の学生など、国際経験やそれに伴う国際共修へのレディネス(準備状態)は様々であり、それこそが国際共修の面白さでもあります。国際経験が少なく気後れしている仲間がいたら、答えを述べやすい問いかけを考え、自然に発言を促し、傾聴の姿勢を示してみましょう。

「自分の考えはグループの議論に貢献しており、発言が歓迎されている」と感じられると、徐々に自信をもって主体的に関与できるようになります。また、グループでの協働経験が少なくて困っているような仲間がいる場合は、まずメンバー間で役割分担をしましょう。グループのためにひとりひとりのすべきことが明確に共有されると、責任感も生まれ、協働の意識が形成されやすくなります。個々が自分の強みや特性を活かしながらチームに貢献できると、自己効力感の増大にもつながるでしょう。
仲間との関わり方について悩んだときは、教員に相談するのも悪いことではありません。自分たちで解決したいという姿勢は立派ですが、グループ活動を望ましい方向に導くため、早いうちに支援や助言を求めることは時に必要な対処法です。客観的な立場からの介入がグループに良い刺激を与えることもあるため、安心して教員を頼ってみましょう。

教員(またはTA、サポーター)にいつでもご相談を

自分たちで課題を遂行しようと努力するのは素晴らしい姿勢です。しかしながら、周囲のリソースやサポートを上手に活用することもまた大切な能力です。客観的な立場から助言をもらうことで、新たな気づきにつながることもあります。より良い学びのため、教員(またはTAやサポーター)と積極的に関わりましょう。

教員からのメッセージ

国際共修を取り入れた授業では、言語や文化背景の異なる学生さん全員が、学び合い、ともに成長する機会づくりを重視しています。皆さんの交流・協働が、相互研鑚につながるよう授業を設計し、皆さんの学びをファシリテートするのが私たちの役割です。困ったことや不安なことがあれば、いつでも相談してくださいね。

国際共修サポーターからのメッセージ

サポーターは全員が過去に国際共修を履修しています。もちろん、私たちの経験がそのままみなさんに当てはまる訳ではないかもしれませんが、何らかの葛藤や失敗を乗り越え、こうして新たな立場で国際共修に戻って来た存在として、学びをつなげていきたいと感じています。何かを与える存在ではなく、一緒に走っていく存在として、みなさんの喜びや苦しみに寄り添っていきます。

 

周りが静かで自分しか進める人(話す人)がいない!
どうやって他の人にも回していけば良いの?

主体的に行動できているあなたはすばらしい!
よりハイレベルなチームビルディングに挑戦してみよう。

①グループ内での役割分担をしてみよう

ミーティングや授業内議論のときには、必要な役割が多くあります。例えば、議論の進行役であるファシリテーター、書記、タイムキーパー、グループの活動をクラス全体に報告する発言者、そして画面共有など、オフラインでもオンラインでもいくつかの役割が挙げられます。毎週発言量が偏って固定化してきたと感じたら、ミーティング毎に役割を変えてみることも有効です。「今日は誰が書記をやる?」などと声を掛けてみるところから始めてみましょう!もし率先してやる人がいなかったら、あみだくじやルーレットなどのオンライン機能を使って決めていく方法も、チームで楽しみながら役割分担ができるきっかけになります。

②意見を聞いてみよう、迷ったときは言い換えをしてみよう

決まった人たちが会話を独占していたり、ミーティングのときに沈黙が多くなってしまったりすることもありますよね。そんなときによく使えるテクニックは「聞いてみること」です。「今何してるんだっけ?」「次は何をしたら良いかな?」「〇〇さんはどう考えている?」などと、周りに発言を促してみること良い会話の切り口につながります。また上級編として、誰かが発言してくれたときには、「今言ってくれたことってこういうことだよね?」と言い換えをしてみることも有効です。会話を円滑にするだけでなく、グループ内で同じ認識を持つことにつながるというメリットがありますよ。

海外学生がついてこれているか不安…分かっているか聞くのは失礼?

聞き方次第で、チーム全員にとって効果的なコミュニケーションを生むことができます!

仲間同士でスムーズに会話が進んでいるとき、自分だけ話についていけない… そんなとき、「分からない」意思表示をすることは、誰にとっても非常にハードルが高いものですよね。「わかっているかどうかを確かめるなんて失礼では?」「自分だったら傷つくかも」と、理解度チェックを先延ばしにしたくなる気持ちは分かります。ポイントは、聞き方と聞くタイミングです。海外学生だけに「ここまで理解できてる?」と聞くのではなく、国内学生も含めた全員に向けて「ここまで何か疑問に思ったことはある?」などと聞くことで、特定の個人へのプレッシャーにならないよう確認をすることができます。そして、聞くタイミングはこまめに入れていきましょう。全て話し終わってから内容についてこれているかの確認をするのではなく、一つ伝えたいポイントが終わる毎に質問ができるような時間を設けることが、誤解を生むことを防ぎます。お互いが十分に理解していないまま議論を進めてしまうと、後々より大きな事態に発展してしまう可能性もあります。全員が同じ認識でワークを進めていくことができるように、気軽に質問をし合える、確認し合える雰囲気を作っていきましょう!

国際共修にも慣れてきて、ディスカッションの中で効果的な関与ができるようより高い目標を設定したい!どんな工夫ができそう?

「ファシリテーター」の役割に挑戦してみよう!

ファシリテーターとは、その名の通り、参加者の活発な意見交換を促進する存在です。自分の意見を伝えることに加えて、議論の流れをまとめたり、仲間に発言を促したりと、より充実した協働を目指すうえで重要な役割を担います。ファシリテータ―は、就職活動のグループディスカッションにおいても必ず設定されるポジションであり、より良いファシリテートをしていくためには経験・訓練が欠かせません。まずは議論をつなげていく役割を意識してみましょう。おすすめは仲間の発言に対し、質問形式でのリアクションをとることです。「もっと詳しく知りたいのですが、それは〇〇ということですか?」「なぜそう考えたのですか?」などと、次につながる発言ができると自然なファシリテーションになります。また、賛成や反対を述べる際も、「賛成です」という意思表示に加えて「私も〇〇という理由から賛成です。違う考えの人はいますか?」などと意見を追加しつつ誰かの反応を促すと良いでしょう。キャッチボールやリレーのバトンつなぎをイメージして、議論を継続・発展させられるような質問を投げかけてみましょう。

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