Intercultural Collaborative Learning

国際共修ルーブリック
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    開発の背景と特徴

    このルーブリックは、留学生と国内学生が意味ある交流を通して学び合う「国際共修」を手法とした教育実践をより効果的に行うために開発されました。言語・文化背景の異なる学習者が学び合いや協働を通して異文化や自文化への理解を深め、その学びをメタ認知することで新しい価値観にたどり着く(末松、2017)学習効果が期待される国際共修ですが、異文化間教育の有効な手法でありながら、その効果をどのように測定し、学びのプロセスを可視化するかという課題が近年浮上していました。

    このため、規模、教育理念、特色などが異なる大学の国際共修研究者・実践者が、研究プロジェクトを立ち上げ、2年間かけてこのルーブリックを開発しました。この過程で、幅広い文献レビュー、国内外での事例研究、ルーブリックの精度を高めるための調査と検証を繰り返し、なるべく多くの学習者と、多様な学習形態を考慮した、汎用性の高い指標づくりに努めました。

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    ルーブリックの構成と活用方法

    この国際共修ルーブリックは、4つの大項目と20の小項目で構成されており、それぞれのコンピテンシー小項目は4つの発達段階に応じて設定されています。AAC&Uのルーブリックが意図的にシンプルにコンピテンシー項目を絞ったのとは対照的に、本ルーブリックでは、国際共修で伸びるコンピテンシー項目の充実を重視しました。そのため、類似している項目や一見重複しているように見える項目もあります。この意図は、使用者が、それぞれの教育目的に応じて、コンピテンシー項目を選択し、教育実践に特化したルーブリックを組み立てる柔軟性を奨励するところにあります。